異様な膨張スカートが招いた悲喜劇とは
一四世紀のヨーロッパでは、キリスト教世界観に彩られた中世の因習を突き崩し、人間 性の尊重、精神の復興と解放をめざしたルネサンス運動か盛んになっていく。それは人体 における価値観にもおよび、人間のからだを人工的に美しく造形しようという発想が生ま れたのもごく自然な流れであった。しかし、人間性解放と謳ってはいても、じっさいには 男性だけが対象であって女性ははじめからカヤの外におかれたのである。 このような男性本位の思惑が結合した結果、女性のウェストを細く見せれば女性のかよ わさや愛おしさが遺憾なく発揮できると考えた。 こうして生まれたのが胴回りを締め上げる拷問具のコルセットであり、一段とウェスト が細く見えるように錯覚させるふくらんだスカートである。その先陣を切っだのが、一六 世紀はじめにスペインの貴族の間で流行したベルチュガダンとよばれる大きく広がったスカートだ。